2018年07月 塩見岳

先週の大雨の影響で、林道の通行止の開通が前日まで確定せずヤキモキしたが、通れるとの事で決行。
運転はNさんにお任せ状態で、夜中の3時過ぎに駐車場に到着し、1時間半程の仮眠をとって5時半に出発。登山口まで林道を歩いたが、可愛い花が道端に咲いていて、この先の期待感が高まる。
登山口からはいきなりの急登なので、ゆっくりと登り始めた。明るい木立の中を歩いて行くと、途中でいくつも木製の階段を通るのだが、細めの丸木なので濡れた所は滑りそうなので、要注意。
途中から、寝不足でみんな眠たくなり、小屋まであと30分ほどのところで眠気がピーク。Sさんは「ここでちょっと寝て行きます。」と言い出すほど(気持ちは分かる)。でも、風がひんやりと涼しく長く休憩すると寒くなってきたので、眠らずに出発した。
しばらく行くと、「小屋まで200歩」の看板が。全員「ホンマに??」と疑いの眼で看板を眺め、数えながら歩くと本当に200歩で小屋のそばに到着。小屋の方、親切を疑ってごめんなさい(><)
小屋は4人で個室を使わせていただき、とてもラッキー。1時間ほど仮眠をとってから、お花畑があるという烏帽子岳に行くことにした。
仮眠でみんな元気復活し、いざ出発。お花畑は網で入れないようにされた部分がありながらも、花の種類は豊富であちこちに咲いていて、とても楽しい。普段、あまり写真を撮らないTさんもスマホで熱心に撮って楽しんでいた。頂上からは正面に塩見岳が見え、大きな姿に「頑張れるかな〜。」と思った。
2日目は、塩見岳往復9時間の予定なので6時過ぎに出発。三伏山からは雲海の上になるので、青空と雲海の広がる景色が広がった。プチブロッケン現象もおきたりと、目移りするほど景色が良い。
本谷山とのコルにはお花畑があり、マルバダケブキという背が高めの茎と葉っぱが特徴の花など、ここも種類が多い。
本谷山山頂からは南アルプスの山々が見え、よくご存知のNさんに「あれは何ですか?それは?」と熱心に聞き、一同熱心な生徒のように「ふむふむ」と頷いていた。(覚えられないのに)
塩見岳は三伏山から北東にあるのに、行程の約半分は北上するので、いつまで経っても塩見山に近づいた気がしない。「さっきから同じ大きさでずっと右にある。進んだ気がしない。」とぶつぶつ言いながら歩くY。TさんやSさんが地形を解説しながら、優しくなだめてくれた。ようやく進路が東を向き、樹林帯を抜けてハイマツ地帯になり、塩見小屋手前から塩見岳が前に見えた。もうひと頑張り。
天狗岩からは岩場が増え、ヘルメットを被って歩く。層状の岩なので足元がガレていて、石を落とさないようにと緊張する。天狗岩から塩見岳西峰の頂上にようやく到着。東峰に向かうと正面から富士山が現れ、「あー!富士山!」と思わず声が出た。その端正で美しく清々しい姿を見ると、気分がいいし引き締まる思いだ。360度の眺望が素晴らしい頂上で存分に写真を撮り、富士山を眺めながら大休憩をとった。
景色を堪能したので下山することに。岩場を慎重に下り塩見小屋まで戻ってきたら、荷物用のヘリが飛んできて、小屋の人から「小屋から離れてくださーい!」と声がかかり、道を少し戻ってハイマツの影からヘリを待つ。近づいたと思ったら、すぐに荷下ろしして飛び去って行った。小屋のトイレは200円でシートを買いブースで済ませて回収ボックスに捨てるシステムで、「ヘリがきてるときは、出てこないでください」と言われる。済ませて出ようとしたら、ヘリの音がしてあっと言う間に近づいてきたのでブースで待機したが、ヘリの直下だったのすごい風だった。小型ヘリでこれだから、救助用のヘリになるともっと風が強いんだろうなと思う。
順調に下山し、予定通りの行程を終えることができた。Nさんは数年越しの念願の塩見岳登頂を果たし、記念バッチを手に入れてたいそうご満悦だった。
3日目は鳥倉林道へと下るのみだが、道路の渋滞を避けるために早めに出発する。
林道でアサギマダラが花の蜜を吸いにヒラヒラ飛んでいた。写真を撮りたいけど、じっとしてくれないので、ピンぼけしたりと四苦八苦。そんな中、Tさんがバッチリ決めてくれた。(写真を見て下さい)
帰りは全く渋滞にかからずに無事に帰阪する。ずっと運転をして下さったNさん ありがとうございました。(A.Y.)

塩見小屋横より塩見岳を仰ぐ:遠い