猛暑日の連続記録を更新している2016年夏、「沢、好き者隊」4名は、浪速のムンムンを後にして滋賀県鴨川水系・八池谷へと向かった。エアコンの効いた車内では、後部座席の約2名は閉じた瞼の向こうに琵琶湖の雄大な景色を堪能しつつ、明日の力の糧となる食糧買い出しまで鋭気を蓄えた。
宿泊地はガリバー青少年旅行村。到着すると黄色のヘルメットをかぶったキャニオニングの生徒が大勢おり、遊ぶには楽しい渓谷と予想された。夕食はFシェフが腕を振るう「すきやき」を残り3名が遠慮なく頂き、お酒のエネルギーも加わって楽しい夕食はあっという間に過ぎ去った。
翌6時出発。旅行村より15分ほど林道を歩くと入渓地点。結構明るい谷で期待が高まる。入渓後すぐに「魚止ノ滝6m」。滝右側より濡れるのを避けて行くのかなと思っていると、Hリーダーより左が行けなければ後の滝は登れないとの発言。殆ど足場がないと思って先行者を見ているとさっさと登っている。多分、岩に慣れていない為?と一人合点。次の「障子の滝」は左側の足場を登る。その先のゴルジュ帯は、もう少し沢と岩を経験を積んでからのルートと判断し登山道に出て大擂り鉢まで進む。歩を先に進めると「屏風の滝」。緑色の淵に腰までつかり滝を眺めた後、左に逃げて「貴船の滝30m」まで進む。この滝も右側へ逃げるも上部は草付きの斜面で足場が悪い。早速、Fクライマーが持参したアイスバイルを草付き斜面に打ち込みながらフィックスロープを張る。お蔭で全員無事に滝上部に移る事が出来た。
入渓して2時間、谷が明るくなったのでこれでおしまい?こんなに早く歩いた?と思いながら先に進むと再び谷が暗くなり、又小さいながらも滝が続くルートとなる。感想文報告者にはこの雰囲気が沢登りの面白さと感じた次第です。やがて流れが穏やかとなり「イブルキのコバ」出会いで遡行を終了した。「魚止ノ滝」~「貴船の滝」までは足場、ロープ、巻き道と結構人の手の加わったルートと感じたが、後半は人の手が入っていない自分たちの足で踏破した印象であった。(H.N.)